はじめに

概要

白い LinkStation シリーズ／玄箱シリーズと同様に LinkStation LS-GL シリーズでも、一般的でメンテナンスされている ディストリビューションが使えれば NAS としてだけでなくホームサーバとして活用する事が可能になります。

山下は、LS-160GL を入手後 いろいろ試行錯誤して debian をインストールし、 LS-GL 固有の制御を標準ファームから導入することにより LS-GL で debian を動作させることに成功しました。

本ページでは、LinkStation LS-GL シリーズに debian を インストール、動作させる方法を記述します。

課題

debian を動作させるための課題は以下の通りです。

最小構成の debian の作成

最小構成の debian を作成するツール(debootstrap）が クロス環境でエラー終了します。

エラー終了したところまでの中途半端な 最小構成の debian を LS-GL にインストールし、その上（セルフ）で debootstrap を 動作させることにより最小構成の debian を作成します。

標準ファームのブート処理

標準ファームのブートシーケンスには、 initrd の中のファイルを HDD にコピーするという処理があり debian のファイルを壊されてしまいます。

initrd を変更して ファイルをコピーしないようにします。

LS-GL 固有の制御

電源制御、LED 制御、電源 SW 制御を LS-GL 標準ファームから 導入します。

ライブラリ

LS-GL 標準ファームと debian とのライブラリの相違から、 LS-GL 標準ファームのコマンド（上記電源制御関連のコマンドなど）が debian 上で動作しません。

LS-GL 標準ファームの環境をジェイルとして debian 上に構築します。
標準ファームのコマンドを使う時には、 このジェイルの中のコマンドを使用します。

注意事項

debian を初めて使うため ルールを無視していたり、 ツールを有効に使えていなかったり するところがあるかと思いますがご勘弁下さい。

ファイル名、パス名、ドメイン名、サイト名、バージョン番号、 パッケージ構成、コマンドの動作などは記述時点での物です。 記述後に変更になっている場合があります。

本ページでは、現時点でわかっている できるだけ少ない手順で debian を動作させる方法を記述しました。 今後さらに手順を減らせる可能性があります。

全体を通して、難易度：高です。覚悟しておいてください（汗）。