OS/2 の gn には 16bit 版 と 32bit 版 が存在します。
1. 16bit 版
OS/2 1.X のインターフェースを用いたバージョンです。
開発環境として以下のソフトウェアを前提としています。
Microsoft C Version 6.0A
OS/2 Programming Toolkit Version 1.3
TCP/IP Version 1.2.1 for OS/2 Programming Toolkit
2. 32bit 版
OS/2 2.0 以降の 32bit インターフェースを用いたバージョ
ンです。実行及び開発環境として emx を用います。
どちらも OS/2 Warp Version 3(含 Warp Connect)で動作します。
それぞれについての説明は、同ディレクトリのファイル
16bit version : docs.jp/os2/tcpip16
32bit version : docs.jp/os2/tcpip32
を参照して下さい。ここでは両者に共通の項目について説明します。
1.Unix version との相違
gn for OS/2 の使用方法は gn for Unix とほぼ同じです。
以下に、相違点のみを記述します。
(1) 使用環境
OS/2 自体で sendmail を動かしたりすることは可能であり、何らか
のニュースサーバーを移植することも、そんなに困難なことではない
と思われますが、現在の OS/2 版は DOS/Windows 版と同様にメール
サーバー、ニュースサーバーと連携して動作することを前提としてい
ます。
(2) 変数
実行前にホームディレクトリを環境変数 HOME に設定します。
config.sys に
set HOME=c:\home
のように記述しておくと良いでしょう。
実行時には、変数 USER/LOGNAME, NAME, HOST が必要です。
USER: アカウント名
LOGNAME:USER と同じ
NAME: 本名
HOST: PC のホスト名
OS/2 コマンドプロンプトや config.sys にて
set USER=yamasita
として設定するか、gnrc にて
USER yamasita
のように指定します。
テンポラリディレクトリの指定として、TMPDIR に加え TMP, TEMP
も使えます。優先順位は高い順に TEMP, TMP, TMPDIR です。
(3) ユーザ認証
OS/2 には、ユーザという概念がありません(*)。
gn を起動するたびにパスワードを入力しなければなりません。
ユーザ認証を行なうために pop プロトコルを使用しています。
デフォルトでは pop3(110) プロトコルですが、pop2(109)プロトコル
を使う場合は、AUTH_POP2 を define してコンパイルします。
smtp サーバと同じマシンを pop サーバとして利用します。
(*) 実際にないわけではなく、ローカルログインなる機能もあるので
すが、普通このような用途では使われません。
(4) 起動オプション
gn に -l オプションはありません。
2. DOS version との相違
(1) ファイル名に関する制限
OS/2 では FAT と HPFS という二つのファイルシステムを
選択することができます。FAT ファイルシステム上で gn
for OS/2 を使用した場合、
- ファイル名の先頭に . が使えない
- ファイル名が 8.3 形式に縛られる
という DOS と同じ制限がつきますが、HPFS では上記制限
がなくなります。ただし、gn for OS/2 は FAT での稼働も
想定して作られているため、デフォルトでは DOS 版と同じ
ファイル名を使用します。さらに加えると、今のところ
HPFS を使用してもファイル名の先頭に . が使えないという
制限があります。これはそのうち撤廃できたらいいいな。
.gnrc -> gnrc
.gnrc-nntpserver -> gnrc-nntpserver
.newsrc -> newsrc
.newsrc-nntpserver -> newsrc-nntpserver
また、
aux、con といった予約されたファイル名
ファイル名に使えない文字のファイル名
も使えません。
gnspool で記事を取り寄せる際、
comp.unix.aux
fj.lang.c++ (FAT での使用時のみ)
といったニュースグループの記事を取り寄せようとすると、異常終了
します。
(4) ファイル名の長さの制限
FAT ファイルシステムで使用した場合には DOS 版と同じ制限が付き
ますが、HPFS で使用した場合には事実上長さの制限は取り除かれま
す。
トラブルシューティング
Connect 以降の Warp では問題ないのですが、それ以前のバージョンでは、
services に pop3 のポート番号/サービスが記述されていないので、
pop3/tcp: Unknown service.
pop3 サーバと接続できませんでした
というエラーメッセージと共に終了してしまいます。この場合 services
ファイル (大抵 \tcpip\etc 又は \mptn\etc ディレクトリにあります)に
次の一行を追加してください。
pop3 110/tcp
(C) kiku@yamato.ibm.co.jp (Akira Kikuchi)
Aug.27,1996
Copyright (C) yamasita@omronsoft.co.jp
Sep.19,1997
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yamasita@omronsoft.co.jp