基本的なインストール方法

1.はじめに

BUFFALO 提供のシステムを（ごく一部を除いて）使わず、 ハックキットで置き換えてしまう、中級者〜上級者向けの インストール方法を記述します。

BUFFALO 提供のシステムを使用しませんので、 ほぼ完全な Vine マシンとなります。 インターネット上にある Vine の情報、Vine 向けの書籍の記載が そのまま参考になります。

LinkStation へインストールには、 パーティションの切り直し／フォーマットが必要です（玄箱は必要に応じ）。 すなわち、現在 LinkStation に存在するファイルは待避しない限り 消えてしまいますのでご注意ください。

以下の説明で、単に "LinkStation" と記述しているところは、 LinkStation／玄箱共通の記述です。 玄箱の場合は、"玄箱" と読み替えてください。

2.必要なもの

(1) Linux マシン

LinkStation の HDD を接続してこのキットをインストールするために、 Linux マシンが必要です。
どのディストリビューションでも問題ないとは思いますが、 HD-H160LAN など 130GB を超える HDD を使用する場合は、 big drive に対応した Linux マシンが必要でしょう（未確認）。

(2) ファームウェアアップデータ

ファームウェアアップデータの IMAGE.DAT が必要です。
必ず、使用する LinkStation に対応し （HLAN には HLAN 用、HGLAN にはHGLAN 用）、 かつ LinkStation にインストールしてあるバージョンの ファームウェアアップデータに収められている IMAGE.DAT を使用してください。

玄箱の場合は、image.zip です。 以下 IMAGE.DAT を image.zip に読み替えてください。

(3) 実験用 HDD （必要に応じて）

LinkStation の HDD を壊すのが怖い方は、 数GB の実験用 HDD を用意して、インストールしてみると良いでしょう。

3.インストール

(1) LinkStation の分解

LinkStation を分解し、LinkStation のマザーボード（？）から IDE ケーブルと電源ケーブルをはずします。
HDD をケースから出してしまうかどうかは接続する PC によります。
IDE ケーブル／電源ケーブルに余裕があれば、 フロントパネルを含むコの字型パネルと、 本体向かって右側をはずすだけで良いでしょう。

(2) Linux マシンに接続

LinkStation の HDD を Linux マシンに接続します。
以下、セカンダリマスタ（/dev/hdc）に接続したものとして記述します。
スレーブに接続する場合は、HDD のジャンパを変更する必要があります。

(3) パーティションの切り直し

/ が 128MB では足りないので、fdisk 等を使用し、 パーティションを切り直します。
玄箱では、標準で / に 2GB が割り当てられているため、 パーティションの切り直しは必須ではありません。

ディスク容量にもよりますが、
/dev/hdc1(/) に 1GB 程度
/dev/hdc2(swap) に 128MB 以上（も要る？）
/dev/hdc3(/mnt) に残り全部
を割り当てます。

例：（FUJITSU M1614TAU (1091MB)の場合）

# fdisk /dev/hdc[Enter] パーティションがないことを確認します。（あれば削除します） Command (m for help): p[Enter] Disk /dev/hdc: 16 heads, 63 sectors, 2114 cylinders Units = cylinders of 1008 * 512 bytes Device Boot Start End Blocks Id System /dev/hdc1 1 1626 819472+ 83 Linux /dev/hdc2 1627 1887 131544 82 Linux swap /dev/hdc3 1888 2114 114408 83 Linux Command (m for help): d[Enter] Partition number (1-4): 1[Enter] Command (m for help): d[Enter] Partition number (1-4): 2[Enter] Command (m for help): d[Enter] Partition number (1-4): 3[Enter] Command (m for help): p Disk /dev/hdc: 16 heads, 63 sectors, 2114 cylinders Units = cylinders of 1008 * 512 bytes Device Boot Start End Blocks Id System Command (m for help): 新しいパーティションを作成します。まずは / Command (m for help): n[Enter] Command action e extended p primary partition (1-4) p[Enter] Partition number (1-4): 1[Enter] First cylinder (1-2114, default 1):[Enter] Using default value 1 Last cylinder or +size or +sizeM or +sizeK (1-2114, default 2114): +800M[Enter] 続いて swap Command (m for help): n[Enter] Command action e extended p primary partition (1-4) p[Enter] Partition number (1-4): 2[Enter] First cylinder (1627-2114, default 1627):[Enter] Using default value 1627 Last cylinder or +size or +sizeM or +sizeK (1627-2114, default 2114): +128M[Enter] 続いて /mnt Command (m for help): n[Enter] Command action e extended p primary partition (1-4) p[Enter] Partition number (1-4): 3[Enter] First cylinder (1888-2114, default 1888):[Enter] Using default value 1888 Last cylinder or +size or +sizeM or +sizeK (1888-2114, default 2114):[Enter] Using default value 2114 hdc2 に swap の属性をつけます Command (m for help): t[Enter] Partition number (1-4): 2[Enter] Hex code (type L to list codes): 82[Enter] Changed system type of partition 2 to 82 (Linux swap) 確認します。 Command (m for help): p[Enter] Disk /dev/hdc: 16 heads, 63 sectors, 2114 cylinders Units = cylinders of 1008 * 512 bytes Device Boot Start End Blocks Id System /dev/hdc1 1 1626 819472+ 83 Linux /dev/hdc2 1627 1887 131544 82 Linux swap /dev/hdc3 1888 2114 114408 83 Linux パーティションを書込みます Command (m for help): w[Enter] The partition table has been altered! Syncing disks. #

(4) フォーマット

• hdc1(/) と hdc3(mnt) を ext3 に
  
• hdc2(swap) を swap として
  フォーマットします。

  # mke2fs -j /dev/hdc1 # mke2fs -j /dev/hdc3 # mkswap /dev/hdc2

(5) Filesystem features の変更

# tune2fs -l /dev/hdc1 # tune2fs -l /dev/hdc3

を実行して

Filesystem features: dir_index filetype sparse_super

のように dir_index がついている場合は、削除しておきます。
例：

# tune2fs -O ^dir_index /dev/hdc1 # fsck -fDy /dev/hdc1 # tune2fs -O ^dir_index /dev/hdc3 # fsck -fDy /dev/hdc3

(6) マウント

/dev/hdc1, /dev/hdc3 を任意の場所にマウントします。
例：

# mkdir /tmp/root # mount /dev/hdc1 /tmp/root # mkdir /tmp/root/mnt # mount /dev/hdc3 /tmp/root/mnt

(7) ハックキットの展開

インストールキットを収めた CD-R を CD-ROM ドライブにセット、 マウントし、tar で展開します。
例：

# mount /mnt/cdrom # cd /tmp/root # tar zxvpf /mnt/cdrom/hackkit-x.y.tar.gz

(x,y は、ハックキットのバージョン）

(8) ファームウェア関連を置く

ハックキットのCD-R に収めてある

• fromimage
  と
• ファームウェアに対応した IMAGE.DAT
  とを /tmp/root/tmp に置き、fromimage に実行属性をつけます。

  注:
  fromimage は、ハックキット 1.0/1.1 にはありません。
  ハックキット 1.0/1.1 の場合は、 1.0/1.1 版をご覧になるか、 山下までお問い合わせください。

(9) IP アドレス、ホスト名変更

キットの初期状態では、LinkStation に

IP address：	192.168.1.6
netmask：	255.255.255.0
default router：	192.168.1.1
hostname：	hackkit (1.0 ではlinkstation)
DNS server:	192.168.1.2

が割当ててあります。
必要に応じて、
/tmp/root/etc/sysconfig/network
/tmp/root/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0
/tmp/root/etc/hosts
/tmp/root/etc/resolv.conf
などを修正し、IP アドレス、ホスト名などを変更します。

(10) LinkStation への接続

Linux マシンを shutdown し、HDD をはずし、 元通り LinkStation に接続します。

4.実行

(1) 電源ＯＮ

LinkStation の電源をＯＮにします。
問題なく起動するはずですが、、、
なお、POWER LED が点滅していても気にすることはありません。

(2) LinkStation にログイン

LinkStation に telnet し guest でログインします。


Vine Linux 2.6 (La Fleur de Bouard) Kernel 2.4.17_mvl21-sandpoint on a ppc login: guest Password: hack bash-2.04$

guest のパスワードは hack です（画面には表示されません）。
telnet して root ではログインできません。

続いて、su で root になります

bash-2.04$ su - root Password: hack [root@hackkit /root]#

root のパスワードも hack です（画面には表示されません）。


(3) IMAGE.DAT の展開

/ に移動し、 fromimage を使って image.zip から必要なファイルを抜き出します。

[root@hackkit /root]# cd / [root@hackkit /]# tmp/fromimage tmp/IMAGE.DAT

注:
fromimage は、ハックキット 1.0/1.1 にはありません。
ハックキット 1.0/1.1 の場合は、 1.0/1.1 版をご覧になるか、 山下までお問い合わせください。

(4) ppc_uartd の起動

[root@hackkit /]# /etc/rc.d/init.d/ppc_uartd start Start services: ppc_uartd

(5) ごみ掃除

/tmp に置いた fromimage, IMAGE.DAT を消します