ハックキットをシステム入れ換えなしに使用する方法 Ver. 1.1.0 2004/03/20 yasunari @ yamasita.jp Copyright (C) 2004 Yasunari Yamashita. All Rights Reserved. 1. はじめに ハックキットを使って勉強はしたいけど、パーティションを切り直し たり、「システムを入れ換えるのはちょっと怖い」「壊してしまった ら怖い」という方も多いのではないでしょうか。 本書では、システム入れ換えなしにハックキットを使う方法を記述し ます。 ハックキットのディレクトリツリーのトップを chroot で指定するこ とにより、あたかもハックキットがインストールされているかのよう に使えるようにするものです。 システムの入れ替えを必要としませんし、壊れてしまっても再インス トールは簡単ですので、中級者でも安全に Vine 環境を学ぶことが可 能です。 ただし、中途半端な状態ですので、初級者はかえって混乱してしまう かもしれません。自信がついたら、システム入れ換えすることをお勧 めします。 2.必要なもの この方法に特有な必要なものはありません。 readme.txt を参照してください。 3.インストール (1) 準備 LinkStation の場合、telnet が可能なようにしておきます。 http://www.yamasita.jp/linkstation/031204.html "Link Station に telnet" を参考にされると良いでしょう。 (2) ハックキットのアーカイブのコピー CD-R に収めている ・ハックキットのアーカイブ(hackkit-x.y.tar.gz。x,y はバージョン) ・シェルスクリプト(getfiles.sh, putfiles.sh) を何らかの方法 ・ftp で転送 ・ファイル共有を経由して転送 で LinkStation/玄箱にコピーします。 以下の例では、/mnt/share にコピーしたものとします。 (3) ハックキットの展開 LinkStation/玄箱にログインし、ハックキットを展開します。 例: # cd /mnt # mkdir HackKit # cd HackKit # tar zxvf ../share/hackkit-x.y.tar.gz (x,y は、バージョン) (4) chroot のコピー ハックキット内の chroot を LinkStation 側にコピーします。 例: # cp /mnt/HackKit/usr/sbin/chroot /usr/sbin (5) 再配布不可ファイルのコピー getfiles.sh の2行目、 MOUNTPOINT=/tmp/root を / に修正します。 例: MOUNTPOINT=/ 再配布不可ファイルをアーカイブします。 例: # sh ../share/getfiles.sh putfiles.sh の2行目、 MOUNTPOINT=/tmp/root をインストールしたディレクトリに修正します。 例: MOUNTPOINT=/mnt/HackKit 再配布不可ファイルを展開します。 例: # sh ../share/putfiles.sh 4.実行 ハックキットをインストールしたディレクトリを指定して、 chroot を実行します。 例: # chroot /mnt/HackKit これで、あたかもハックキットがインストールされた LinkStation/玄箱に root でログインしたかのような状態になります。 ps コマンド実行時にエラーになるので、 # mount /proc を実行しておくと良いでしょう。 あとは、存分にイジクリまわしてください。 chroot 環境から抜けるのは、 # exit です。その前に、 # umount /proc を忘れずに。 5.注意 chroot すると、そのディレクトリ以下以外は見えなくなります。 上記例ですと、/mnt/HackKit 以下しか見えず、 たとえば、/mnt/share 以下は見えなくなります。 以上。Enjoy!